用語解説
資金吸収額とは、IPO(新規株式公開)の際に、公募株式と売出株式によって投資家が支払う総額のことです。
この金額は以下の計算式で求められます:
資金吸収額 = (公募株式数 + 売出株式数 + オーバーアロットメント) × 公開価格
この計算では、公募部分(新規発行株式)と売出部分(既存株主による放出株式)を合わせた株式数に公開価格を掛け合わせて算出します。なお、オーバーアロットメント分は需要状況に応じて追加的に販売されるため、実施されない場合もあります。
一般的に、資金吸収額はIPO投資において重要な指標とされています。
特に以下のような傾向があります:
・資金吸収額が少ないほど市場供給量が少なく、需給バランスが良好となり、初値が高騰しやすい
・資金吸収額が多いほど市場供給量が多くなり、初値上昇が抑制される可能性がある
特に資金吸収額が10億円未満の案件は「小型案件」と呼ばれ、市場供給量の少なさや中小企業特有の高い成長期待から注目される傾向があります。一方で、100億円以上の大型案件では初値上昇が抑制される可能性や公募割れリスクも増加します。
ただし、資金吸収額だけで投資判断を下すべきではありません。企業の成長性や業績、市場環境など他の要因も総合的に考慮する必要があります。
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